よく弦が切れるという方へ…

2019年01月16日

 「弦を新しいものに張り替えたばかりなのに、すぐに切れてしまった」、よくこんなお話を耳にします。もちろん、弦の不良が原因だったケースもままあるのですが、お話を伺うと、古い弦の方も同じような切れ方をしているんですね。そして、どこで弦が切れるというと、大抵同じ場所、上ナット付近の事が多いです。

 もし弦がこういう状態になってしまったら、早めに弦は交換しましょう。まだ弦表面の金属の巻きが、ほこんだだけだから大丈夫、まだ切れていないから大丈夫、とそのまま使い続けますと、上ナットの溝を傷つけ、次に弦を張った時にもすぐ切れてしまう原因を作ります。

 具体的にどういうことかと申しますと、この上ナットというパーツには、スムーズに弦が通るように、表面が滑らかに整えられた溝がついています。この上に弦が乗る訳なのですが、ほころびのある弦が乗った場合、調弦でペグボックス側や駒側に何度も引っ張られることにより、ほころんだ弦の金属の巻きがやすりのような感じで、なめらかだった上ナットの溝をささくれ立たせていきます。弦を張るということは、上ナットにもそれなりの圧力がかかりますので、ちょうどやすりで木を削っているのと同じような状態になりますね。なので、その後新しい弦を乗せても、今度はそのガタガタになってしまった溝が、新しく張った弦をほころばせて…という悪循環になる訳です。

 こうなってしまうと、もう職人が溝を整えない限り、延々とこれを繰り返すだけですし、さらに悪化したケースですと、やすりのようになった弦がどんどん上ナットの溝を削り、ついには指板にまでダメージを与えていたケースもあります。そうなりますと音にノイズも混ざってきますし、それを解消するための上ナット底上げ、または交換や、指板の削り直しなど、払わなくてもよかった修理費用がかさむことにもなります。

 ですので、弦がこうなってしまった時点で、できるだけ早く弦は交換しましょう。また、張りなおした時点ですぐほつれてしまうようでしたら、早めに職人のところへ持っていく事をおすすめいたします。

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